2014年5月24日土曜日

Oregon Waffle Leather #313544-221 - Oct. 2006

以前エントリーしたOregon Waffle Leather (313544-071)と同時にリリースされた物件です。

Oregon Waffleのオリジナルは1973年にリリースされています。ソールの造形を見たら納得でしょうが元々は陸上のクロスカントリー用に開発されたもの。とは言え、競技にもトレーニングにも使えるようなオールラウンドなモデルであり、このワッフルソールの成功でナイキは一躍大企業になっていくわけで。


出自がそんなわけでこれを街履きとして使うにはちょっと苦しいと思いますが。

ボックスはオレンジとライトブラウンのツートーンタイプ。C18 330 x 225 x 116mm。ローカットのランニングシューズには若干大きめのサイズでして、ボックス生産は台湾。

ボックスの蓋裏を見ると「06230611」とスタンプ。2006年6月23日ですかね、検品は。

オリジナルとしてリリースされた物件はアッパーがナイロンでしたが、このモデルはレザー。071番のブラックモデルがシュリンク加工を施した牛革を使っていたのに対して、こちらは渋い艶のブラウンレザー。シュリンク加工はされておらず、表面に若干クラックが起き易いような仕上げがされています。

そして珍しいなぁと思わせるのがトゥガードやヒールカップ、スウッシュといったパーツにはヌバックが使われているのです。ナイキでヌバックってランニング・トレーニングシューズでは珍しいチョイスですよね。

しかも。
ナイキにしてはいい素材を使っているのでしっとりとした高級感すら漂ってます。

タンラベルはブロック&イタリックのNIKEロゴにオレンジスウッシュ。Ⓡマーク無し。タンラベルの裏のお品書きはなんと!このモデルオンリーだと思われる文面が。

ONE MORNING IN 1971, BILL BOWERMAN WAS STRUCK WITH A GREAT IDEA, SITTING DOWN FOR BREAKFAST, HE SAW HIS WIFE'S WAFFLE IRON AND ENVISIONED USING IT TO CREATE SOLES FOR HIS SHOES.  A FEW RUBBER CHIPS AND SEVERAL ATTEMPTS LATER, BILL SUCCESSFULLY MADE WHAT BECAME THE "WAFFLE SOLE". TESTING THE IDEA ON ATHLETES, THE SHOES PROVIDED LIGHT-WEIGHT TRACTION FOR RUNNERS EVERYWHERE. IN 1973, THE WAFFLE SOLE WAS SOLD TO THE WORLD AS THE "OREGON WAFFLE".

要はワッフルソール開発秘話なんですが。このモデルにナイキは誇りを持っているんだろうなぁと思わせるニクい演出。

071番と違ってブラウン系で統一されているのでスウッシュも他の補強パーツと同じ色、素材。

アキレスディップのナイキロゴはブロック&イタリックフォントで刺繍。NIKEロゴだけヴィヴィッドなオレンジなのですがあまり浮いた印象を与えないのが○。

横から見るとアキレスディップのパーツがかなりアキレス腱寄りに反っているので「履いているとアキレス腱が擦れそうだなぁ」なんて思っていたんですが、実際履き始めてみるとそんな事はなく。

あ、ライニングは合皮です。普段ですと「アッパーとかいい革使っているのにここは合皮かよ」と毒を吐いてしまうところですが、この物件に関しては違和感無いんですよね。よく馴染んでいるのです。しかもシューレース、ミッドソールに合わせた?アイボリーだし。

インソールは脱着可能だと思うんですが、この物件に関してはなぜかナイキロゴの下に部分だけに接着剤が着けられて外せません。インソール自体は前年(2005年)にリリースされていたWaffle Racer II と同じANATOMICALのエンボスロゴが入ったグレイのやつだと思うんですが。

生産はタイランド。タイ生産品に一時期付属していたリサイクルペーパーで作られたシューキーパーが同梱されていました。

CANTEEN/LT CHOCOLATE-ORNG BLZ

2014年5月11日日曜日

Brooks Vanguard #1101661D488 "Heritage Footwear Collection" - March 2014

突然のリリースでびっくりしました。そんなリリースは2014年3月。ブルックスのブランド100周年を記念した限定物件です。
2014年3月にリリースされたモデルはこのVanguardともう一つ、Vantage。これらを「Heritage Footwear Collection」として販売しています。

数年前には久留米に生産工場があるアサヒコーポレーションがライセンスを取得してヴィンテージシリーズを数種類販売していたのですが契約満了、更新しなかったのか会社のホームページからもブルックスという文字が今では見つからない程に。

因みにこの時期流通した物件はまさかのMADE IN JAPAN。今では珍品でしょうねぇ。欲しかったのにサイズ展開28cmまでってさぁ。

で、こちらはヴェトナム製。昨今の大手ブランドのスニーカーはヴェトナム製が主流みたいなので妥当なところでしょう。少なくとも中国製よりは購買意欲がわくってもので。

オリジナルリリースは1976年。系統としてはナイキのエリートっぽいのですが、エリートは1977年リリース。こちらの方がちょい早かった。

アッパーはナイロンですが、これまたエリートっぽい、若干厚さを感じるというか、硬めのナイロンが使われています。だからなのか、エリート同様、履いていると足が熱く感じます。

自分としては珍しく、購入してからすぐに履きだしたのですが、やっと春が来て15℃くらいの外でも一日履いていると足が熱い。夏は辛そう。

トゥガード、ヒールのパーツは随分上質なスエードが使われています。スエードというよりヌバックっぽい。サイドのオレンジラインはシュリンクレザーかな?

ソールはリリース当時世界で初めてだったらしいEVA3層ソールを復刻。そうなの?オニツカとかナイキがすでに搭載していたと思ってた。

履いた印象としてはナイキのオールドスクールな物件よりもアディダスのそれに近いかも。サイズはナイキと同じサイズで購入したのですがPre Montreal Racerに比べると捨て寸がほとんどない感じ。取扱店のなかにはハーフサイズアップしての購入を勧めているお店も見受けられます。

更にこれ、シューアイレットの幅が広くとられているのでこの手のスニーカーに使われる120cmのシューレースを使っても結び目が大きく取れない。幅広の足でタイトなシューズという印象を与えそうなルックスになっちゃいますね。
加えてシューホールがまさかの6穴づつ。普通は7穴、多いのは8穴なんですが。この仕様にした意味がわからん。オリジナルはどうだったんだ?
因みにアサヒコーポレーションが生産したVantage Supremeは7穴です。

インソールは交換可能。この手のローテクスニーカーにして珍しい。
アウトソールはBrooksが特許を取っているらしいオクトピ・アウトソールを採用。名前の通り、タコの吸盤がヒントになってます。同じようなのではナイキのバミューダもそうですね。ブルックスが特許を持っているのならばうまく特許をすり抜けて開発したんでしょうか、ナイキは。

オリジナルのブルックスのスニーカーはタンラベルが右足だけに付いていたのですが、この復刻版では両足に付いています。アサヒコーポレーション版もそうでした。刺繍された、きちんとしたラベルなんですが、やっぱり両足についていると違うんだよなぁ....「普通」な感じがありありで。

昔の物件が右足だけにラベルが付いていたのはもう一方に「企業のロゴを入れて下さい」とか「名前を書き込むため」といったもっともらしい理由が語り継がれていたんですが、ヘリテージコレクションでそれを否定するってことは本当は意味なかったのかしら?と邪推。

ボックスの大きさは現在の一般的なサイズになっていますが、古臭いデザイン。

でね。これ、一週間位履いていたらヒールタブのBROOKSロゴがペリンと剥がれてきてる...てっきりロゴを少し凹ませたところにプリントしたのかと思っていたらこれだけ奇麗に剥がれてくるってことは転写プリントなのかな?これ見た時「昔よく買ったフーセンガムの包み紙を兼ねたおまけの転写シール(タンスにつけると汚いまま一生剥がれないあれ)を思い出しました。

しかも。

シューアイレットのスエードパーツも縫い合わせた糸がほころんできてるし。下に黒い芯材があったのかぁなどという発見は嬉しいけれど一週間でこれってどうなん?と。こんなの初めて~~~と喜べない自分がいます。

価格はアメリカで$90。日本では¥10.800(リリース当時)。正直微妙なところを突いているなぁ、と。100周年のご祝儀で買うって意識があって納得出来る買い物ですか。出来としては個人的には「買い」ではないと思います。同じ100周年でもニューバランスのM1500IBなんか気合い入ってたのになぁ。

Royal Blue / Classic Orange

2014年5月3日土曜日

M1300TOW - Feb. 2008

トゥーッス!


このM1300TOWは英国産1300として2008年春夏用にリリースされています。以前書いたM1300PPWと同じモデルの色違いとして2008年2月にリリースされました。ワールドワイドリリースです。

古くはアイルランド製のM1300というのが存在したらしいのですが、セールスアピールが「UK製として初めての復刻」だったためそれがその後遺恨を残す事に。

だってどう見たって額面通りの「復刻」ではないですもん。米国製が1300CLとしてまぁ王道というか昔の面影をなぞって細々とやっていたのにこれはどう見ても亜流。

だがそれがいいんです。

基本的なディテールは確かに1300ですが、カラーリングや素材のチョイスが一癖ある英国流ってところがたまりません。

これ日本でも正規扱いで販売されたのですがお値段¥29.400。当時のレートもあったとは言え保守的なファンからはこの値段・ルックスもあって総スカン。某巨大掲示板のスレでは罵詈雑言の嵐だった記憶が。決定的に受け入れられなかったのはやっぱりミッドソールのあのパターン。

でもね。

これ、プリントじゃなくてこの一個一個の細かいパーツが圧縮形成されていてこの模様になっているんですよね。よく見るとそれがわかります。触ってみてもわかります。手は込んでいるんです。
それと美しい発色の上等のヌバック。これは1300のポイントの一つですがきちんと継承されているし、そこに目の大きめのメッシュを組み合わせています。

ヒールCRもトランスルーセントなパーツの下にミッドソールと同じものを忍ばせてデザイン的にも調和を図っているし、ライニングのテキスタイルもアッパーメッシュに合わせたワッフルっぽいものを採用、同じようにインソールの表地にも使われています。インソール自体は英国ものでデフォルトのポリウレタンの4774/4781。表のロゴはnew balanceのみのシンプルなもの。
トータル的には「英国にしてはよくやったよ」と誉めてあげたい、非常にいい物件です。

でも売れなかった。

世界中至る所で夏物セールに登場してました。

かく言うボクもこれらのモデルは買うのがちょっと遅かったってのもあるんですがセールに残っていたのをまとめて購入したくらい。

モデルのディテールとしてはあとは今は亡きNBロゴが8本線のタイプだとか、ボックスが個人的には大好きなChicken6 ⓒ2006タイプとか、リリースから6年経っても「この方が良かった」と思える仕様なんです。

米国製のM1300CLに比べると履いた感じは「ちょっと硬いかな?」。ソールではなくてヌバックの厚みやメッシュの素材に依るものですが、履き込んでくると気になりません。あ、でも履き込むとENCAPのロゴが入ってるミッドソールのパーツの色が剥げてきます。素材自体に着色したものでなく、外側からのペイントなので仕方の無いことですが。パリパリ剥がれてきます。

スエードを染めたのは何年かすると退色が始まったりするのですが、ヌバックが使われているこれは未だに買った当時のような色を残しています。

2008春夏モデルの3色の中でこれが一目惚れだったのですが、今見ると水色がちょっと古臭いかな、と。ミッドソールとヒールCRが勝手にヴィンテージ加工っぽく退色してるし。ぼんやりした色合いの水色とギラギラしてるメッシュが対照的です。