2014年2月23日日曜日

ミドリ安全 HG2000N - Dec. 2013

世界よ、これが日本だ。
そして東京よ、それが雪国だ。

今冬の積雪が東京では実に45年振りの積雪量だったとか。普通なら一生に一度の出来事でしょうからまぁさぞ大変だったと思います。
こちらの雪国でも流石に丸腰でそれだけの雪には耐えられませんからねぇ。


で、今回の物件はそれに便乗したエントリー。

毎冬に指名買いしている物件。高品質、低価格というだけでも信じがたいのにこれ、MADE IN JAPAN。

ミドリ安全という会社は日本ではまぁ知ってる人の方が多いとは思うのですが、ホワイトカラーのなかには知らない人もいるのでは。

労働者のための作業服、パーツなどを販売している大手の会社です。

ここの定番の長靴が凄くいいのです。普段履く機会の無い人の方が多いと思うのであえてのエントリー。外国の人にも「Amazing! Cool Japan!」などと声を上げていただければ幸いです。

こちとら雪国なので一年のうち半分くらいはこれにお世話になってます。


業務用というカテゴリーのためか、販売しているのは靴屋さんではなくてホームセンター系。ボクの町には二つの大きなホームセンターが商いをしているのですが、一つの方にしか販売されてません。あと日本中にあるワークマンにも売ってないな。多分ガテン系が使うというより料理屋さんの厨房だったり、総菜屋さん、コンビニに卸す総菜工場などで活躍しているからでしょう。そのためなのか、ここ数年では白の方が販売スペースが多く取られています。因みにカラーは黒と白があります。

モデルナンバーはHG2000N。商品名はHi-Grip(ハイグリップ)。ミドリ安全のオンラインサイトでは¥2.310で販売されていますが、ボクが買うホームセンターでは数年前から¥1.980で販売されています。安いです。何度も言いますがこの値段で日本製。
これに出逢うまでは色んなメーカーのを試したのですが、なんかこれが一番いいんですよね。素材はPVCで形成されていて、粗悪なPVCやゴムだと半年も履いていくと屈曲するところからクラッキングが起きてきたり、シームの部分から水が入り込んだりするのですが、このHG2000に関しては今まで一度もそんなことは起きていません。

それだけでも十分セールスポイントなのにミドリ安全の商品説明では商品名の由来でもあるグリップの高さに特化しています。

曰く、「ハイグリップ長靴は、なぜ滑りにくいのか?秘密は、ハイグリップソールにあります。特殊な配合を施した材料とスリップを起こしにくい靴底意匠構造のダブル効果で、今まで転倒や滑り事故が多かった厨房や水場での作業を安心して行うことができます。しかも、動植物性油に強い耐油底にもなっています。」
とのこと。で、これに関する特許番号は第3451205号で、取得済み。
確かに濡れている路面でも滑りません。

ただ、やっぱり雪の上では滑ります。それは何を履いても滑るのでもうどうしようもないのですが。でもこれはソール全域で滑るんじゃなくて、踵に雪が詰まり易いソールパターンが原因。踵に雪が詰まってそれで滑ると言う。なので踵の部分だけ改良してくれれば何とかなりそうなんだけど、使用目的が違うから無理か。

そのソールなんですが、これが凄いのは製造月が簡単にソールで判別出来るようになっているんです。左が年、右が月。これを購入したのは2014年1月ですが、製造月が2013年12月というのが一目瞭然。こういうところが日本製の凄いところ。商品管理の徹底さが窺い知れます。

と、まぁべた褒めなんですが唯一欠点らしきポイントを指摘するとしたらソールの減りの早さですか。特殊配合した材料ゆえか割と減りが早いのです。で、このモデルにはタイヤのようにスリップサインがついているのでボクの場合は一冬越すとそれが見えるので処分、次の冬に新しいのを購入というサイクル。これが冒頭の毎冬に指名買いというわけなのです。

みてくれよりも実用性を取った人間にはすごく重宝している物件ですが、いかんせん、どこから見ても業務用。ファッション性は微塵も無いため女性が外で履くはずも無く、中高生も履きません。履いていったら即いじめの対象になる事間違い無し。

でもね。ボクは思うんですけど。こういった高品質の製品を作れるのってやっぱり日本だなぁと思うんですよ。巷では女性は英国製の○ンターとかを高いお金を出して買って履いていたりしますが英国でゴム製品の会社ってあったっけ?と。そういった国の商品と言われてもなんだかなぁ、と。実物を見ましたが数年経てば粉ふいてひび割れが起きそうなものだったしなぁ。

比較して日本。判り易いところでタイヤの会社とか。日本は世界で認知されているタイヤのメーカーが沢山あるし、コンドームの会社だって大手が2社もあります。比較の一例としてヨーロッパで唯一と言っていいデュレックスのコンドームってゴワゴワしててゴム臭くてあんなの平気で使ってる欧米人がある意味凄いなぁと。

一番いいのは日本製でファッションコンシャスな物件が出てくれれば一番いいんですが。ミドリ安全とどこかコラボしてくれないかなぁ。

ともあれ最後の写真。
毎年ホームセンターでは裸の状態で陳列、販売されているのですが、今回は棚の下に箱入りを見つけたのでそれを購入。こんな箱だったんだ!とちょっと感動。

2014年2月16日日曜日

Tiger Corsair Vintage #D321N-8402 - Jan. 2013

タイガーコルセアのファーストリプロとしてリリースされた物件です。リリースは2013年1月。実に渋い、オニツカらしいカラーリング。

時を同じくしてリリースされた Tiger Corsair Vintage #D320L-0123 はレザーバージョンで、ワールドワイドリリース800足限定として販売されています。

「されてました」ではなくて「されています」なのは2014年になっても在庫がはけないお店がチラホラ見受けられるので。

何度でも言いますけど世界のスニーカーの歴史上重要物件の一つでもあるんですが、マイナー扱いは致し方ないのか...

で、限定物のレザーバージョンと違ってこちらはナイロンアッパーもの。でもヨーロッパでの価格は先の限定物とほとんど変わらないって。でも英国と日本では安くなっていて、£57.50、日本では¥11.000前後で販売されていました。

あ、日本でのオフィシャルリリースは2013年2月で、カタログナンバーは欧米で使われている#D321N-8402ではなくて、#TH321N-8402です。なんで日本だけ変えるのかなぁ...

ナイロンコルセアの2013年1月リリース分としては計3色展開でして、他にはD321L-0442 (yellow x blue) , D321N-4209 (Classic Blue/Orange)。イエロー以外は渋いというか、地味と言うか。でもこの地味さがいかにも1970年代のズックっぽくっていいんですよね。なのでボクは3色購入しましたが。

生産国はヴェトナム。

ボックスはUNITY-M (ONITSUKA) R-2-1, 330 x 190 x 120mm。若干小さめの箱です。

肝心の履き心地なんですが、これ、かなり、幅が狭いです。カリフォルニアがDだとしたらBになるのか?ってくらい。長さはカリフォルニアと同じだと思うのですが、幅の広い人はちょっと無理だろうなぁ。それよりも女性がかなり似合うんじゃないかと思います。幸いユニセックス展開してるし、シュッとしてスマートに見えるんじゃないでしょうか。

ジョギングシューズのひな形を作ったモデルだけあってナイキ共々その想いは強いのか、ナイキのコルテツは未だにアップデートを重ねつつコンスタントにリリースされてるし、オニツカの方も2013年に入ってヴィンテージカテゴリーと”ヴィンテージ加工のしていない”モデルを数種類リリース。後者はアメリカ、ヨーロッパなどでヴィンテージラインと共存しつつ販売されてます。

ちなみに余談ですが書籍「オニツカタイガー物語」(2005年刊)によるとコルセア、2005年に一度リイシューされてるんですね。
知らなかった。

なんでも「コルセア」がネーミングされてから30周年を記念して2005年6月に「タイガーコルセア」、2005年7月に全世界3000足限定の「タイガーコルセア・メモリアル」が発売と書かれています。
残念ながらカラー写真ではないのでディテールまで汲み取れませんが、メモリアルの写真を見る限り、2013年ものとまた仕様が違うところがいくつか。当然ヴィンテージ加工はしていないのでまっさらっぽい感じが強く、メモリアルはシューホールが6穴。2013年ものは7穴。メモリアルが昔っぽい、高さの無いアキレスディップなのに2013年ものは割と形のしっかりしたアキレスディップが採用されています。(これは1970年のコルテツ試作品と似ていますね)
あと、インソールにメモリアルはランニングマンがプリントされているのですが、そこにはアシックスのロゴが….オニツカじゃねーのか?!

そもそもコルテツ開発秘話としてビル・バウワーマンからクッション性の向上をリクエストされて16mmから24mmにソールを厚くしたというのにこの2005年メモリアルでは「現在では薄めが主流で、現代人の足にフィットするという理由で原型よりも若干薄くしてある」らしいです。それでメモリアルを名乗るのか、と。ちょっといただけません。
企画開発チームの方のコメントが「これは”復刻”ではなくて”復活”だから」との事ですが、詭弁にしか聞こえない…..
だったらアップデート版でもリリースしてそっちでやればいいじゃんと思うのですが。

でもまぁそういや2005年リリースのナイキの"Original”も3層から2層ソールに仕様変更してたもんなぁ….

それから8年経ってのこの物件。オニツカオフィシャルサイトでも

1969年アメリカで、オニツカ株式会社の米国販売代理店であったブルーリボンスポーツ社(BRS)のビル・バウアーマン博士の発案によって、それまでにないクッション性の高さと履き心地を実現したジョギングシューズが誕生。
もともとのデザインの良さに加えて新しい機能性を同時に叶えたシューズは、1970年代に世界中で巻き起こったジョギングブームの中心的存在となり、それまで競技用のギアでしかなかったスポーツシューズを、ライフスタイルに基づいたファッションアイテムへと昇華。
このエポックメイキングなアイテムは当初「CORTEZ(コルテッツ)」と名付けられました。

そして、1976年に「TIGER CORSAIR(タイガーコルセア)」と改名していきました。
当時の画期的な開発秘話として、当時のアメリカ人の体格に合わせた衝撃緩衝性が必要となり、踵部分のソールの厚みを16mmから24mmにすることでクッション性をアップさせました。
当時はアメリカのみ販売だったため、手に入れることも難しかったこのシューズ。2013年の今年、踵部分に24mmの厚みをもたせたクッション性の良さと、履き馴染みのよい靴型はそのままに発売しております。
誕生当時と同じく細身かつノーズの長いデザインは、まさに今季のファッションにもぴったりです。

と明記されているようにソールの厚さをオリジナルに戻しての”復刻”。嬉しい限りです。

素材構成はアッパーのナイロン、その他のパーツは天然スエード。非常にシンプル。ライニングはヘリンボーンに織られたコットン。
アウトソールパターンもシンプルなヘリンボーンパターンですが、カリフォルニアよりも鋭角的。中央にonitsukaのロゴがエンボスされています。ミッドソールは前足部は2層ですが、後足部にかけて3層仕様になってます。

スニーカー創世記の物件らしく?後ろ姿は素っ気ない程シンプル。ロゴも一切入っていません。

タンは薄手のナイロンにスポンジが縫い付けられているのですが、タンラベルの辺りにだけスエードが上部に補強パーツとして貼られています。そのスエードがシューレースのフックにもなっており、そのスエードに更に重ねられてオニツカのタンラベルが縫い付けられている、と。タン全体にスエードを貼付けるよりもコスト削減も考えられている、よく出来ている仕様だと思います。

この第一弾リリースの後にいくつかリリースされたのですが、ボクはこの一発目を3足購入した後Corsairは購入してません。単純に色が好みでないのと「なんか違う」感を感じたので。
2013年後半はそれよりもアシックスのGel-Lyte IIIにいいのが結構出ましてそっちに夢中になっちゃいましたので。

Evergreen x Birch

2014年2月9日日曜日

M1500KCW "Cargo-Inspired Pack" - Feb. 2007

秋が深まると箱から出しては愛用してもう7年ですか…(しみじみ)
まぁもう真冬なので履く機会が激減しましたけど。

そう書き出すと「あぁ気に入って大事に履いているんだなぁ」とスニーカー♡な諸兄は思うでしょうが、実は購入当初はさほどでもなかったのです。

アウトレットで安かったので買ってみました程度の。


「あぁ黒の1500持っていないから買っておこうか」みたいな。

この物件は2007年2月にリリースされています。別注の類いではなくてNB UK企画の”Cargo-Inspired Pack"として。マーケットは主にヨーロッパで、日本では2007年2月10日にOSHMAN'Sが先行販売しています。プライスはヨーロッパでは€150前後。同時にリリースされたのはM1500OCW。こちらはカーキベースのカラーリングでした。

英国のアウトレット品を購入したのでボックスは安いレンジの商品に使われている、NBロゴの大きなタイプ。
構成パーツはスムースレザー、ウォッシュド加工のキャンバス、そしてなんと説明したらいいんだろう、面白い加工が施されているレザーを(ちょっとオイルドレザーっぽいです)トゥ、ヒールパーツに使ってます。

ちょっと見、「何がカーゴなんだ?」と思わずにいられない、シンプルな外見でして、唯一のポイントがライニングとインソールの表地に使われているカモフラージュ柄。ただ、多色使いではなく、割合控えめなカモ柄ですので嫌味がなく、おっさんでも気にせずに履いてます。

まぁただ、いつも通り、デフォルトのインソールJD 4774/4781なので別なのに交換して履いています。ラストは1500ですのでSL-1。でもインソールのnew balanceのロゴがこのモデルだけなんとも安っぽくて収まりが悪いと言うか、届いて見た時は「バッタもんか?」と思ったくらい。

タンラベルは英国産1500らしく、new balance MADE IN ENGLANDと刺繍されてます。アキレスディップのNBロゴは2007年当時はまだ8本線ロゴでした。この、バランスの悪い、ごちゃごちゃしている感のあるロゴですが、ボクは好きなんですよね。NBらしく?野暮ったくて。2014年現在の5本線ロゴはまとまっちゃってどうもねぇ。

あともう一つこのモデルの特徴がシューホールの最後の穴が鳩目仕様。見た目はちょっといただけないのですが、こちらの方が紐を結んだり、ほどいたりし易いんですよね。実用的。この仕様のため、穴の数が通常モデルよりも一つ少なく7つ穴になってますね。

翻って通常の1500では7番目と8番目のシューホールが平行に緊密に開けられているのでその実用性に「?」なんですよね。7番目と8番目の穴、両方使った事無いもんなぁ。

あと1500はレザーを使ったモデルでも補強パーツはシンセティックレザーだったりしてがっかりさせられる事が多いのですが、この物件では補強パーツもアッパー同様スムースレザーのようです。

サイドのNマークの刺繍も通常のダブルN仕様ではなくて、シングルN刺繍タイプ。

ヒールのパーツに黒ではなくて紺を使っているのがなんとも英国的と言うか。なので付属のシューレースは黒だったのですが合わせる為に紺のシューレースに替えています。

とにかくシンプルにまとまりつつ、20代のお兄ちゃんよりもおっさんが好みそうな遊び心のある物件。
隠れた優良物件だと思います。

2014年2月2日日曜日

M577SNS1 "Sneakersnstuff Exclusive"- June 2005

そういや最近M577履いていないなぁと思い返してこの物件をエントリー。

振り返れば2013年に577を購入したのは10月リリースのM577MOOだけだったし。

ボク、577大好きなんですけどね。数年前からモノ自体が小さくなったり丁度良かったりとサイズにバラツキが多くなってから買い控えが起きてそのまま。
地方在住+デカ足=二重苦には結構難儀な話です。

そこにオニツカとナイキの面白い物件の猛リリースですから。まぁあまり食指が動く物件も無かったってのもあるんですけど。

で、これはストックホルムのSneakersnstuff(通称SNS)がニューバランスUKに別注をかけた記念すべき第一弾。リリースは二回に分けており、2005年5月にまずオーナーの一人、ピーターのデザインした白x紺xグレイがリリースされ、6月にエリックがデザインしたこちらが発売されてます。どちらも96足の限定。今考えるとかなり球数少ないですよね。昨今では「別注」というだけで売れますから。

SNSはこの後ニューバランスとの蜜月が続くのですが、単独のコラボは2009年の第四弾"RGB PACK"まで。これが失敗だったのか?
なんせ3モデル各461足はちょっと多かったのでは….しばらく残ってたもんなぁ、特にM1700。M1500SNSの出来は素晴らしかったんですが。

単独以外の共同コラボでは2012年3月リリースのM577SN2などもあります。これはニューヨークのMilkcrate Athleticsと手を組んでの企画で、どういう経緯でニューヨークと北欧のショップが仲良くなったのか不思議。

まぁそれはさておき。

このモデル専用のボックス。カッコ良過ぎ。このデザインのボックスを見たのはこれが最初で最後です。
で、このモデルは2005年リリースなんですが、ボックスの©は"©1998. New Balance Athletic Shoe, Inc"とプリントされてます。

素材構成はトゥとヒールパーツがスエードの他は本革。ライニングはエアフローメッシュ。そしてここが肝心ですが、タンが長い!577は長い方がカッコいいし、履き心地がいいんです。

タンにはnew balance 577 MADE IN ENGLAND SELECTED EDITIONと刺繍されてます。昨今ではこの「SELECTED EDITION」の文字を見なくなったのでオールドファンには懐かしいのでは。

この横から見たショットでタンの長さがよくわかるのでは。これですよ、これ!このくらいの長さがあって577の美しさが引き立つというのに。短いのは全体的にずんぐりしてカッコ悪いんです。

アッパーのレザー部分はお腹いっぱいなくらいのパンチング処理が。これも大好物。

第一弾という事で思う存分出来なかったのか、ソールユニットは通常の577と同じものが流用されており、上っ面が秀逸なカラーリングなだけに惜しい気が。そこはSNSでもわかっていたのか、第二弾ではソールユニットも別注カラーにしています。

しかしアクセントになっているペパーミントカラーのなんとも美色なこと。惚れ惚れします。
あとインソールもインライン577と同じでした。グレイファブリックのトライアングルロゴがプリントされたポリウレタンソール。
2005年製なのでまだヒールCRのNBロゴは8本線。ちょっと不格好なこの時期の感じが凄く好き。

プーマに別注した後にニューバランスとしばらく組んだ後、ここ数年はリーボックに別注しているSNSですが、彼等のポップなセンスはニューバランスと相性が一番いいと思うので是非また別注モデルを販売して欲しいです。