オリジナルは1985年リリースの”V"3兄弟の一つ。20年経ってのファーストリイシュー。3兄弟の中では一番地味というか、別の言い方では通好みとでも言うんでしょうか。地味なのに装飾が一番派手なのがちょっと気に入らなくて躊躇している間に日本では姿を消してしまいました。隠れファンが多かったのでしょうか?
これはもう耳にタコでしょうが、ナイキの社長兼CEOのマーク・パーカーがデザインした3モデル(Vector, Vortex, Vengeance)の一つ。
発売は2005年9月。値段は¥11.550。で、ボクはこの物件をどこで入手したかというと、台北。この年の10月に台湾旅行をしたのですが、そこでスニーカーショップを数件回って見つけました。でもハーフサイズ上しか在庫が無かったためそれを購入。日本で買うよりちょっと安かったくらいだったでしょうか。でも大きい感じはしないので不幸中の幸い?日本では主立ったスニーカーショップでソールドアウトだったので手に入れただけでも良しとするか。マイサイズでない物件を買うのはこれが最初で最後です。
ちなみにこのヴェクター、2010年末のVシリーズのヴィンテージシリーズでの復刻の際に改名されてます。Ventureだって…….
どうやら原因は商標がらみのようですが、頭文字にVをつけての命名というのが条件だったためかなんだか無理矢理っぽい名前。
そんなケチの付いたリプロなのでVengeance, VortexはコンスタントにリリースされているのにVentureだけ早々に撤退。再び悲劇の物件に。
というわけでVector名義の最後の物件であります。
ボックスはオレンジとベージュの2トーンの"JUST DO IT"時代のもの。現在は手元にないのでボックスのサイズは忘れました。
アッパーの構成はスムースレザー、ヌバック、ナイロン、メッシュと、スニーカーに使われるメイン素材のオンパレード。
適材適所に配置されていて、色の配色も素晴らしい。ヌバックを使ったスオッシュなんて外側は黒のナイロンアッパーとかぶって地味ですが、内側はいかにも革らしいベージュカラーのレザーとのコントラストになってうーん、上手い。スエードだったらこうはいかないだろうなぁ。
アウトソール。スタッドの個々のパーツが大きいです。でもInternationalistのような高さ(厚み)のあるスタッドではありません。
よく見るとミルクレープみたいでちょっとラブリー。
ライニングはブラウンと言うよりは鉄の錆色のファブリック。タンラベルも同色。そこに黒ブロック&イタリックフォントでNIKEⓇスオッシュⓇAIR。
タンラベルの裏の文面は
NIKE AND THE SWOOSH NAME AND STRIPE ARE TRADEMARKS AND YOUR GUARANTEE OF QUALITY.
THIS PRODUCT COVERED BY U.S PAT NO.541831564219945 AND FOREIGN PATENTS というちょっと見慣れないもの。
この下段には多分同じ意味のフランス語が。
インソールは脱着可能。表地は黒のストレッチナイロンにNIKEⓇスオッシュⓇロゴ。裏地はグレイ一色のポリウレタン?
ANATOMICALとエンボスされてます。
通常ナイキのクラシックスニーカーはインソールを外すと縫製が見えるだけなんですが、これは珍しく麻のようなナイロン?がソール一面に貼られています。何かアドバンテージあるのかなぁ?
この3兄弟の特徴の一つはアキレスディップの低さなんですが、これもやはりそう。足を入れる時に指を入れてここのパーツを曲げて広げる訳ですが、その低さ故それがあまり効果無いとでもいいますか、指がそもそもひっかからない….
アクセントを兼ねているホール群。オリジナルではエアエピック同様リフレクターが入っていたそうですが、このモデルにはそれは無し。ただのアクセント。しかしこの部分、わざわざステッチで囲んでいる意味がわからない。内側に見えるブラウンのレザー?を縫い合わせたから?
ヒールCRはInternationalistにも似たってか、パーツは流用?ただ、ソールは踵の部分もフレアソールになっていて、その辺り、違和感が無いし、Internationalistよりも長く取られています。ヒールのレザーパーツが大きくてデザイン的な見地からサイズに合わせた為でしょう。
ミッドソールの構成はなんだかニューバランスのM996みたいですね。
甲が低く作られているので甲高の人にはちょっと辛いかも。生産はタイでした。
BEIGE×BLACK×BROWN