スノトレ。全くもって懐かしい響きです。
思い返せば中学生の時に雪の中の通学に長靴はどうにもカッコがつかないだろうと必然的に一択で足元を飾った冬の徒花。
当時はアシックスよりもミズノのほうが友達にもよく愛用されていた記憶があります。
でもスノトレって性能的に中途半端で、水はしみ込んでくるし、別段暖かくもないし、濡れたら乾かすのが大変だし、何よりも雪の中の歩行には長さが短か過ぎ。パンツの裾がびちょびちょに毎日なっちまう、と様々な理由から次第に周りの友人達も履かなくなって、高校生の時には男子高校生は7割型長靴で通学してました。やっぱり選ばれるには理由があるわけです。で、そこにはカッコとかは入り込む余地など無く、ひたすら機能性が優先する厳しい環境と、それを割り切る勇気があったわけです。
ところが。
今日日の周りの中学生は冬でも通学はコートなど着ないでジャージとか、制服。訊けばかっこ悪いからだとか。もうバカかと。わけわかりません。
しかも。
ここ数年の豪雪続きにも足元は通年仕様のスニーカー。まぁダンクとかナイキのハイカット系が多くてそれでつじつまを心の中であわせているのでしょうけれどおかしくないか?
で、かみさんが中学生の子供を持つ同僚から聞いた話なんですが。
なんでも冬の中学校の生徒用玄関はとてつもなく異臭が漂っているのだとか。
原因は生徒のスニーカー。
もうお分かりの通り、カッコ優先で何も考えない彼等は濡れるのもかまわずにスニーカー。濡れたら乾かせばなんとかなるだろうけれど毎日乾かすわけも無く、ジトジトの半乾きのくっさい状態で冬の間キープ・熟成されていくものだからそりゃそうなるわな。
あまつさえその弊害で水虫の中学生も増えているのだとか。
学力は上がっているのに社会的な事は段々うとくなってるというか、生きる事に鈍感になってる気がするってちょいと大袈裟ですかね。
そんな昔話をつい語っちまうような物件を今回はエントリー。
2008年秋冬物としてリリースされたSunotore72。ボクは早々にセールになっていたSNSで購入しましたが、日本ではミタスニーカーズで¥13.650で販売されていました。でも「東京ではこんなのおよびじゃないだろう」と思いますから購入した人は「雪国の人が通販で」とかなんでしょうか。
スノトレという単語はアシックスの商標登録なんだそうです。先代の創業者、鬼塚喜八郎氏は誰よりも商標登録の重要さを認識していて、社員にも何かあったらすぐに登録しろと言ってた、と「オニツカの遺伝子」という本に書いてありました。
このモデルは1972年冬季サッポロオリンピックの選手が入場する際に履かれたシューズがモチーフなんだとか。インソールにも札幌オリンピックのロゴ?がプリントされています。
で、実際履いてみてどうかと言えば、やっぱりあんまり使えないな、と。
関東圏で数センチ降った後ならば有効かもしれませんが、おかまい無しに降り積もるような場所ではやはり無理です。
先に書いたスノトレの欠点がそのままですから。
このモデル自体にも欠点があって、まずシューレースの穴が5つ。間隔が空いているため紐をきつくしてもタイトにならない。雪、水が入り込む。
アッパーのコーティングにエナメル仕上げ。雨風対策なんでしょうけれど、屈曲性が格段に落ちているため変な負担がかかるのか最初の一年は靴擦れが酷くて踵が血だらけ。ボク、あんまり靴で靴擦れ起きた事がないので辛かったです。
そしてコーティングが足の曲がるポイントで亀裂が入りそこから水が入り込んできます。
あとですね、このシューズ、薄いんです、アッパー自体が。
クラシック・リイシューなので例えば薄くてもThinsulate素材を挟むとか、ゴアテックスを使うとか全く無し。
おかげで足が冷える冷える。ゴム長靴のほうが暖かい。
そうそう、ミタスニーカーズのサイトのアーカイヴを見て思い出したのですが、日本で販売されたモデルではソールの穴のポイントであるカラーが他のアクセント同様赤なのですが、ボクの買ったのは赤、黄色、青とカラフルなんです。モデルナンバーも同じですから単純にヨーロッパ向けは若干ポップな味付けを施したんでしょうか。それともミタスニーカーズの写真はサンプルだったのかなぁ?
最後に生産国ですが、何かと話題の中国製です。だからこの出来?
そんなこんなで春が来る度に処分しようと思ってるのですが、なぜか未だにちゃんと手入れをされて厳寒の季節の出番を待っているわけで。
でも先日の初雪=積雪で使ったらかなり水がしみ込んでくるのがわかったので処分しました。さよなら&お疲れさまでした。
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